ごった煮

職業はITエンジニア、趣味はバイク、ゲームなどです。ITに限らずいろんな事をカオスに書いていきます。

正しい行いをすることに...

もう随分前になりますが、ヒラリーがトランプとの大統領選に負けた時のスピーチで色々と思うことがあったので投稿します。

mikachanko.hatenablog.com

上記では完璧なスピーチだと賞賛していますね。自分はニュースなどでちらりと見ただけなんですが、引っかかったのはスピーチの以下の部分です。

正しい行いをすることに疲れ果ててしまわないようにしましょう。失望せず、あきらめずにいれば、やがて祝福を刈り取る日が来るからです。

これ聖書からの引用らしいですが、引っかかったのは「正しい行い」ですね。

民主主義なのだからより多い指示を得られた方が「正しい」はずです。ヒラリー氏のこの発言は選挙に負けた上での発言なので極論すれば民主主義の否定と言ってもいいかと思います。

私はリベラルというのがどうも好きになれません。日本でいう建前と本音の建前の部分が強すぎて信用できないというのが根底にあります。

多分、このような考えになったきっかけはオバマ大統領のノーベル平和賞の受賞にあります。私の考えでは現在のこの世界の一番の殺人者はアメリカの大統領です。直接的には手を下していませんが、彼が一番の責任者ですし、死人が出る指示も多く出しているはずです。そのような世界一の殺人者がノーベル平和賞を授与するのは茶番でひどく偽善的に写ってしまいます。

オバマ大統領は核の拡散防止などに尽力したかもしれません。しかしアメリカはミサイル防衛など軍事的優位に立てるような施策は常に行なっており、このような状況で核だけ拡散防止をした所で自国の都合のいいように物事を捉えていると思われても仕方ありません。プーチンオバマを嫌っているようですが、このような所が合間みれないのだと思われます。

トランプの言動は過激ですし、直接的すぎますが、偽善的でないという事に関してはトランプの方が好感が持てます。例えばトランプは我々の側にも殺人者はいると明言し、身内から批判を受けているようです。私にはただの正直な発言だとしか思えませんが。

トランプ氏「我々の側にも殺人者」…批判の声 : トランプ大統領 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

「正しい」とは何でしょうか?100人いれば100人の正義があると思います。その人、その人なりのそれぞれの正義が。この世界に絶対的な正義などありません。基本的には法治国家では法律が正義ですが、法律も変える事が可能で、時勢によって変わる可能性は常にあります。

私がリベラルを指示できない一番の理由が我々は正しい事をしている、と考えている風に見え受けられる事です。このような考えは危険だとすら思っています。

例えばアメリカのリベラルは移民を制限せずグローバルな経済がいいと思っているでしょう。しかし、グローバル化や移民の流入によって職を失うような人々も一方でいます。このような人々がグローバルな経済や移民を歓迎できないのは当然でしょう。

リベラルな人たちは高学歴な人々が多く、グローバル経済になった方が利益が出て、移民の影響を受けないような人々が多いです。要するに自分達の利益を損なわない考え方を支持している訳で、それをこれは正しい事だからと利益を損なう人々に強要できると考えたらそれはもはや民主主義ではありません。(もちろんそこまでは考えていないでしょうが)

我々は正しい行いをしているという時にはそれによって利益を損なう人々がいるという事を念頭に少しでも置いているかどうか。私が考えるリベラルの危険性は、「正しい行いなのだからそれを行う事は正しい」という安易な論理的帰結に陥っている人々が多いように思えることへの懸念です。

ただリベラルを全面的に否定するつもりはありませんし、トランプのように保守すぎるのはどうかと思います。バランス感覚を持った人にトップに立ってもらうのがいいですが、それでは多くの人の支持を得にくくなるので、これが民主主義の難しい所かと思います。